幼なじみの銀髪男。【完】
「ありがとう。」


「お前あーゆー時はシカトしろよなッ。それと喧嘩がはじまったら普通逃げるだろ!」



ライはさっきよりちょっと優しいけど怒ったように言った。


「だってライ5人も相手してるから!心配で…」



「馬鹿か!あんなのまだ序の口だっ。昨日は30人だったかッ…」


30人!?
ライは何時もそんなに相手をしているの?


「とにかく、あーゆー時は逃げろ!」


ポンポンと頭を軽く叩くと私に歩調を合わせて歩いてくれた。


「ねぇ、ライ。何時もあんなに殴るの?」



「死なねー程度になッ。
ひいたか?」



「………ひかない。
けどちょっと恐かった。」


そう言うとフッと鼻で笑った。



「でも、ちゃっかり俺の心配してくれたんだろ。
ノンくらいだよ…女であんなまともに俺を見たのは。」



「そりゃぁ、ライは危なっかしいからっ。
だからあんまり殴り過ぎないでね!」



「…そーゆーのもノンらしーなッ。ノンは昔から喧嘩したあとも相手をちゃんと心配してた。」



「そうだっけ?」



「あぁ。まっノンだって危なっかしいけどなッ」



また一言余分…


けど喧嘩上等のライは、
ちょっと恐いけど、優しい所もちゃんとある。


ちょっと安心したかな…



私達はゆっくり歩きながら孝君家へと向かった。




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