幼なじみの銀髪男。【完】
溜まり場に行くと、
すでに葵君がいて、ライもいて、何時もと変わらない雰囲気だ。



ただ、ライの顔には絆創膏が貼ってあって
指には包帯がしてあった。


「あ、マドンナちゃあん♪」

孝君が私の名前を口にすると、ライは眉間にシワを寄せ機嫌が悪そうに煙草を吸い始めた。



何あれ…。


「ライ、ケガ大丈夫?」


とりあえずケガの事を聞いてみた。



「……まあ。」


すると目を合わせず一言だけ呟くライ。



「喧嘩…派手にやったんだね。」




「お前には…関係ねぇ」




はぁ??


「せっかく心配してやったのに、だいたい喧嘩ばっかりしかする事ないわけ?」


「うるせぇよ。
だいたい何しに来たわけ?説教するなら帰れよ。
坂上の所にでも行けば?」


何で?何で坂上君が出てくるわけ?


「どーせノンは俺より坂上がいいんだろ?
つか、坂上と付き合ってんだろ?」


半分馬鹿にしたように言うライ。



なぜかズキンズキンと胸が傷んだ。


「ライには関係ないでしょ?もう知らない…」


「あぁそうかよ…
ぢゃあもう来るな!!
俺に一切関わるなよ…」




冷たい言葉と冷たい視線が私に突き刺さった。



ズキンズキン。


胸が張り裂けそうだ。


「わかったよ。」


「希美!!」


「おいっ來輝言い過ぎ。」

皆が私を止めたけど、
いてもたっても居られなくて私はその場を去った。







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