幼なじみの銀髪男。【完】
はぁ。
何なんだろ。
どうしてこんなにライが気になるんだろ。



ライと話さなくなって、
どんどん胸が苦しくなって…



ライを見るたび
切なくなる。



そして気づけばライの事を見ていたり、
ライと話したいのに
話せなくて、
避けてしまっている。



「希美ちゃあん~♪
かーえろ」


溜まり場に行かなくなってからほとんど坂上君と帰ってる。


たまに京華が気にして、
一緒に帰ってくれる。



「ねぇ希美ちゃん最近元気ないよね?」




「へ…?そんなことないよ?」



坂上君と居るときは、
元気で居るつもりなんだけどな…



「波多野君の事で悩んでる??」



……!!!
何でわかるのかな?
坂上君にはライの事言ってないのに。




「どうして?」



「希美ちゃん、波多野君の事好きなの??」




急に真剣な声で聞いてくる坂上君。


こんな坂上君初めて。



「……坂上君どうしたの?」





立ち止まり顔を見上げると、ふと切なそうな顔をして何処かを見ていた。




坂上君の視線の先には……


あ……。

ライが後ろから歩いていた。




そして、


「じゃあさ…」

「ちょっと坂上…んっ」







え…
唇に坂上君の暖かいものが当たっていた。



嫌だっ



そう思った時、バサッと
坂上君を突き飛ばしていて。




その場から逃げるように
立ち去った。







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