この涙を拭うのは、貴方でイイ。-大人の恋の罠-
本心または、苛々。
いや…コレに関しては、やっぱり抜け穴ザクザクのアホな私が悪い。
颯爽と踵を返して行ってしまった祐くんを、黙って見届ける外なく。
「なんか、疲れた…」
昔馴染みの男たちとの会話で疲弊したのは、生まれて初めてだ。
どこか他人事のような考えで、浮腫んでいる足からミュールを取り去った。
このままシャワーへ直行して、サッパリした身で缶ビール片手にソファへダイブ――
とは出来ない状況に、仕事終わりの疲労感が増すのはダメなのか?