この涙を拭うのは、貴方でイイ。-大人の恋の罠-
こういうトコロが、いつまで経ってもお子様に見られる要因だな…――
「良いじゃない。女の本質と向き合う事で人間性が磨かれるわ。
それに“変わらない人”が見つかったでしょ?」
すると喫煙タイムを終えていた柚ちゃんが、フッと一笑にふして鋭く突いて来た。
「…うん、」
「ソレなら良かったわ。
のんの立場はね、“一線”を置かれるのも仕方がない事なのよ。
尭にしてもそう…、何かにつけて妬みに触れる事があると思うわ」
「柚ちゃんも?」
珍しく仕事の話に触れた彼女に驚きつつ、そっと窺うように本意を尋ねてみれば。
「確かにそうね…、でも私は気にしないから」
「…どうして?」
フフッと自信に満ちた笑顔で答えるから、いつしか顔を上げていた私。