この涙を拭うのは、貴方でイイ。-大人の恋の罠-
ふわりと掠めるジャスミンの香りが、今日はやたらと泉さんにピッタリだと思わされる。
するとニッコリ笑って、そう納得していた私の肩をポンとひと叩きする彼女。
「ああいうタイプは絶対、素直なドジ子ちゃんがタイプよ。そうよね?」
「…え?さ、さぁ…」
「ふふっ、しらばっくれるとは良い度強ね」
いやいや、しらばっくれるも何も無いですから。
耳元に近づいてボソッと吐き出す彼女は、やっぱり柚ちゃんに通じるモノがある。
有無も言わせぬ勢いとか、この人も絶対に仮面をつけたドSと感じるからだ。