この涙を拭うのは、貴方でイイ。-大人の恋の罠-


ふわりと掠めるジャスミンの香りが、今日はやたらと泉さんにピッタリだと思わされる。


するとニッコリ笑って、そう納得していた私の肩をポンとひと叩きする彼女。



「ああいうタイプは絶対、素直なドジ子ちゃんがタイプよ。そうよね?」


「…え?さ、さぁ…」


「ふふっ、しらばっくれるとは良い度強ね」


いやいや、しらばっくれるも何も無いですから。


耳元に近づいてボソッと吐き出す彼女は、やっぱり柚ちゃんに通じるモノがある。


有無も言わせぬ勢いとか、この人も絶対に仮面をつけたドSと感じるからだ。


< 135 / 178 >

この作品をシェア

pagetop