この涙を拭うのは、貴方でイイ。-大人の恋の罠-


そんな気持ちを悟られたくなくて、結局は笑って誤魔化すしかないから。


続きを急かす利奈さんには、“バカさに呆れられました”と短く終えてしまった…。



「うーん…やっぱり、ベルトは…」


PCを終えて開店間際の店頭に立つと、トルソーの着せ替えをしていた私。


店の宣伝ともなるディスプレイともあり、意識を全集中させてしまいたいのに。



ああ分かんない。何だろう、このモヤモヤ晴れない感じは?


歴代のダメンズたちと修羅場っても、コレはまったく感じなかったのに。


大体、今日の“あとにして”って――


いつの事をさすのか、今ごろ尭くんに尋ねてやりたくなった。


< 141 / 178 >

この作品をシェア

pagetop