この涙を拭うのは、貴方でイイ。-大人の恋の罠-


「ハハッ、お手並み拝見といくかな――
まっ、俺も本気出さないと――のん以上に素直じゃない女にね?」



「えええ!?」

「ウソだろ…」


トンデモナイ発言に驚いたのは、どうやら尭くんも一緒だったようですが。



私以上に素直じゃないといえば、ソレは間違えようも無い“姉”ですよね。そうですよね…?



「だから、ノー・プロブレム。
人のコト気にするよりも、のんを頼むぞ」


その一言と一万円札を置き去りに、祐くんは一人で静かにバーを出て行った。


< 174 / 178 >

この作品をシェア

pagetop