この涙を拭うのは、貴方でイイ。-大人の恋の罠-
「ハハッ、お手並み拝見といくかな――
まっ、俺も本気出さないと――のん以上に素直じゃない女にね?」
「えええ!?」
「ウソだろ…」
トンデモナイ発言に驚いたのは、どうやら尭くんも一緒だったようですが。
私以上に素直じゃないといえば、ソレは間違えようも無い“姉”ですよね。そうですよね…?
「だから、ノー・プロブレム。
人のコト気にするよりも、のんを頼むぞ」
その一言と一万円札を置き去りに、祐くんは一人で静かにバーを出て行った。