この涙を拭うのは、貴方でイイ。-大人の恋の罠-
何を考えてるのか分からない男ほど、危険なモノは無いでしょうよ…。
「のんの弱点は…」
「あぁ…んっ――、」
精密マシンの如く、粗暴にみえて繊細な動きに反応する事が悔しくて。
声を押し殺そうと両手に口をあてて頭を振るのが、なけなしの負けず嫌い根性だ。
「くっ…、声我慢しないで良いのに」
「うるさ…ぁあ」
口から少し手を離して、キッと眼前に迫った美麗な顔を恨めしく睨みつければ。
「口はやっぱり、身体と違って素直じゃない」
「ふ…ぅ、んん…っ」
この意地っ張りな性格を熟知してるクセに、祐くんだけには言われたくないわ…!
…なんて。減らず口を叩くコトも叶わず、体内の熱だけが上昇していく。