この涙を拭うのは、貴方でイイ。-大人の恋の罠-


記憶に新しい昨日の夜は、3股男のグチを柚ちゃんに聞いて貰っていた。


それで昔から知りすぎてる、アノ慰め役が現れたのだ。



「柚ちゃんが呼ぶからぁー…」


「ゆーくんって、すがってたのはアンタの方よ」


「・・・覚えてない」


呆れてブラックコーヒーを飲む柚ちゃんに、続きは言えそうも無い。


朝ラウンドなのにあまりの激しさで失神したとは、もはや恥だ。



「…けど、アレで――」

あの超絶フェロモン裸体と声音を前にして、キッパリNOを言える女を見てみたい…。




「あいにく私は、アイツと裸で寝てても死んでもヤらないわよ」


ああ、そういえばNOと言える女は眼の前にいましたね。


これはもう、優雅にコーヒーを啜る方を拝むべきだろうか――


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