この涙を拭うのは、貴方でイイ。-大人の恋の罠-
この綺麗な外見とは裏腹で、容赦ゼロの攻撃型なクセに。
まるで蝶を惹きつける花の如く、それはそれはおモテになるから厄介だ。
むしろ、今日のような場面はどう対処するのか見てみたい…。
今日は早く仕事が終わったから、連絡なしで彼のマンションへ向かった私。
その到着目前の交差点で、女と腕を組んで歩く場面に出くわしてしまったのだ。
“ちょっと、どういう事!?”
“ハー、メンドくせぇ”
とうぜん怒りのボルテージ上昇で詰め寄った私に、失礼にも鬱陶しそうな態度と取る彼。
悲劇のヒロインぶって泣くどころか、相手の女にも睨みを利かせたのはプライドからで。
たとえ可愛くなくても、騙すという行為が許せなかった。
ソレが冒頭の“3番目”へと進行し、沸点を越えた怒り任せにビンタをお見舞いした訳だ。