この涙を拭うのは、貴方でイイ。-大人の恋の罠-
進行ののち、再会。
失恋の痛手を負ったばかりだし、オマケに昔馴染みと寝ちゃったし…。
一歩進むコトにすら躊躇うなんて、何だか私らしくないと思うけど。
色々(殆どがダメンズ)な恋をしたきたせいか、今は簡単なコトすら難しい――…
「…あ、尭くん」
「――なに」
あれから直ぐにバーを出てから、大通りでタクシーを捕まえて乗り込んだ私たち。
やっぱり続く無言の時にも耐えれず、つい口を開きたくなるのはダメか…?
「え、と…、今日はごちそうさまでしたって言うの、忘れてたから」
「今さら?」
「う…、すみません」
今さらかよ!なんて、お礼を言った自分にもツッコミを入れてしまうアホぶりだ。