この涙を拭うのは、貴方でイイ。-大人の恋の罠-
その光が眩しかったのだろうか。祐くんが怪訝な顔つきでコチラを見るから。
思わずソレだけで、ゴクリと喉が鳴りそうなくらい動揺が止まらない私。
どうして、祐くんがウチに…?
「ほら、早く出ろ」
「え?なんで…」
タクシーがピタリと止まった瞬間、なぜか手早いやり取りで会計を済ませた尭くんは。
開いたドアから先に降りて、色々と呆気に取られる私を促すうえ。
「うるさい」
またバッサリと一刀両断するから、パニック状態での発言権は得られず仕舞いだ。
いやいや…、アナタこそ中目黒のマンションまでどうするつもり?
あれ?今はソレが尭くんには“どうでも”良い事みたいですねー…。