お姫様の苦悩
我が儘はどっちだと、怒りたい気分だが私より数年間長く生きている分また言い負かされるに決まってるから黙ってる事にした。





「満面の笑みでこっちを見ろ。」





ソファーに座らされ、カメラを構えた兄はこんな事を言い出した。




「なんで?」


「携帯の待ち受けとパソコンの壁紙、予備に数枚保存するためだ。」


「――――――っ、気持ち悪っ!バッカじゃないの!?」


「俺に彼女がいると言っても口だけじゃ、信じる奴は少ないが写真でも見せびらかせば信じるだろう。そうすれば女は寄って来ないし、俺は幸せだ。」





幸せと感じるのは人それぞれだけど、兄の幸せってちっさい。





それからデジカメで、私の写真を数枚撮り兄との2ショットも数枚撮ってあっという間だったけど、疲労感はハンパない。





ジィーっと兄を観察していると、プリントした写真の一枚を手帳に挟み、その後携帯を弄り出したからさっき言った通り待ち受けにしてるんだろう。




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