お姫様の苦悩
もう、私に関する情報は殆ど知ってしまったのか次の日も部屋の前に立っていた。





「映画に行きましょう。」


「行きません。」


「蜜姫さんの好きな俳優が出演する映画で全米大ヒットみたいなんですけど………。」


「そうですか、DVDレンタルするので会社の方と見に行ったらいいんじゃないですか?」





CMで予告が流れてたから、休みの日に見に行こうと思ってたんだけど……若王子さんって私の休みも知っていそうで一歩部屋から出たら危険かもしれない。





「会社でその映画を見たいって人は俺だけなんです。」





盛大に嘘をつくな………。





「今日は、蜜姫さんがOKをくれるまで帰りません。」


「いや、それは困ります。」


「大丈夫、俺は困りませんから。」




大丈夫じゃないし、あんたじゃなくて私が困るんだけど。




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