お姫様の苦悩
どうしようか………本っ当に帰りそうにない。





「若王子さん、私疲れてるので……。」


「じゃあ、早く部屋に入りましょう。」





私の部屋を自分の部屋のように言うな。





「はい、だから若王子さんも今日は帰りませんか?」


「そうですね。また明日話ましょう。」





若王子さんがエレベーターで降りたのを確認して、ため息をはく。




もう、何を言っても無駄だとわかったし暫く我慢すればいいと思っていた。





毎日会いに来るなんてまだ可愛いもんだと、一週間後に思い知らされた。





「若王子です。今日からよろしくお願いします。」





珍しく、日曜日に休みが取れダラダラと過そうと決め込み昼まで寝ようかと思っていたのに、朝っぱらからインターホンの音で起こされた。




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