お姫様の苦悩
玄関が閉まらない。





「何か困った事があったら言って下さい。隣なんで遠慮しないで下さい。」


「じゃあ、足を退けて下さい。」





玄関の隙間に足を滑り込ませられ、閉めるに閉められない。





「蜜姫さん、今日は降水確率0%みたいなのでデートしませんか?」


「しません。」


「外は嫌ですか………じゃあ、どちらかの家でどうですか?」


「外も中も嫌です。」





真剣に悩まなくていいから、足を退けてくれ………。





「わかりました。寝起きで頭が覚醒してないみたいなので、後で出直して来ます。」





なんって、ポジティブな人なんだろうか……目出度い頭してる。





頭も目も覚めて正常に動いてるのに。





すんなりと足を退け、部屋に戻って行く姿を睨みつけ玄関を閉めた。




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