お姫様の苦悩
そう言われ、盛大にため息をつかれた。





「勘違い?はぁ?だって、さっき死にそうって言ったじゃないですかっ。」


「確かに言ったけど、そう言う意味じゃないから。」





じゃあ、どういう意味だと問いたいけど……なんだか疲れてと言うより気が抜けて言い返せなかった。





「大丈夫?じゃあ、出発するよ?」


「……どうぞ。」





あれこれ考えて心配したのに……すっごく損したじゃない。





横目でチラリと見やれば、鼻歌でも歌いそうなほどご機嫌な表情を浮かべていて、なんだか憎たらしい。





ご機嫌な譲さんとはうって変わり、私は不貞腐れ外の景色を見る事に徹底した。





水族館なんてどうでもいいなんて思ってたんだけど、私は現金な女なのかもしれない。





水族館に入場してすぐに機嫌なんか直ってしまった。




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