お姫様の苦悩
それが、幼い記憶の中で唯一覚えているらしく、そのせいで若干女嫌いもある。





よく女の子に告白されるみたいだけど、自信家でしつこい子が多いみたいでその度に、匿ってと暫くは私の部屋に泊まり込む。





「悠貴とお兄ちゃんって顔は違うけど性格そっくりだよね。」


「兄貴より俺の方がマシでしょ。」

「あ――…そうかも。お兄ちゃんの側にいるの怖いもんね。」


「蜜姫ちゃんと俺はまともでよかったよね。」





グラスを受け取り、一口飲んで4歳上の兄を思い出す。





悠貴より酷い女嫌いで、家族は大丈夫だけどそれ以外の女は消滅しろと高校生の時に嘆いてた。





「お腹空いてるでしょ?適当に作るから休んでなよ。それか風呂でも入ってたら?」


「んじゃ、お風呂入る。」





悠貴が晩ごはんを作ってくれるみたいだから、私は重い腰を上げお風呂に向かう。





帰ったらすぐに寝ようと思ってたんだけど、眠気も覚めたしゆっくりお風呂に入ろう。




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