お姫様の苦悩
｢蜜姫さ、若王子さんの事どう思ってんのよ。｣


｢どうも思わないけど?｣


｢ふーん……じゃあ、苛々したのは何で?｣


｢それはっ、彼女がいるのに私に告白するからよ。私は騙されかけたのよ?苛々するでしょ普通。｣


｢告白されただけでしょ?好きでもなければ付き合ってもない。でも実は彼女がいました、私だったら苛々しないけど?気持ちが傾いてたらやっぱり苛々して怒ると思うけど、なんとも思ってなかったらそんな感情生まれない。｣





そう言われ、私は何も言えなくなってしまった。





美和の言う通り……仮に私と譲さんが付き合っていて、譲さんには別の彼女がいた――――苛々どころじゃなくなる。





でも、私と譲さんは付き合っていなくて、ただ告白されただけ。





なのに、私は譲さんが女の人と一緒にいるところを見て殴りたいほどの怒りを覚えた。





｢変ね〜、彼女だったなら朝、2人で部屋から出てくるのに若王子さんだけなんて……本当に彼女なのかしらねー。｣





余計にわからなくなった私は頭を抱えるしかなかった。




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