お姫様の苦悩
08:センチメンタリスト
仕事なんて………





仕事なんてしてる場合じゃない……。





今すぐ……今すぐにでも行かなきゃいけないのに。





「王子くん、見損なっちゃった。」

「芹沢……。」


「女の子をお持ち帰りしたんでしょ?」


「なっ………違うっ!」





昨夜、今朝と蜜姫さんには軽蔑の眼差しを向けられてしまった。





全て俺が原因だってわかってるのに……堪えられない。





「休憩行こう?私は、蜜姫ちゃんのお姉ちゃんなんだから聞く権利はあると思うのー。」





いつもと分からぬふんわりとした笑顔で言われるが、今日ほど怖いと思った事がない。





社員食堂に連れて行かれたものの、食欲なんて湧かずお茶だけを買って空いてる席に腰を下ろした。




「じゃあ、どうぞ。」


「はい……。」





芹沢も持参の弁当を持ち向かいに座り、俺はテーブルに置いたお茶を見ながら話始めた。




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