お姫様の苦悩
それを見た瞬間、私もカァーっと熱くなってしまってたぶん真っ赤になってるんだと思う。





数秒で伝染するなんて、とんでもなく恐ろしい病。





「そんな事言われると思ってなかったから、心臓ヤバイ……。」





隠す為なのか、口元を手で覆い視線を逸らす譲さん。





その姿を見て、またドキンっと胸が高鳴り骨張った指がツボかもと視線がいってしまう。





ああ…………よく見ると鎖骨も素敵とうっとりしてしまう。





知らぬ間に顔が緩んでいたのか、譲さんと目が合うと今度は真剣な表情をされ、席を立つと私も強制的に立たされた。





伝票を持ち、手首を捕まれレジに向かうみたいだけど…………私の告白どうなった?





会計をしても、まだ手首を捕まれ口を開く事なくずんずん歩いて行くもんだから、私も口を開けず小走りで着いていく。





「えっ、はっ、ちょーっ、まっ待って!」




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