お姫様の苦悩
ラブホに来たのは初めてじゃないんだけど、雰囲気からか気が緩んでしまいそうになる。





「蜜姫さん、嘘じゃないよね?」


「え………あ、はい。」


「本当に俺の事好きなの?」


「はい。」


「本当の本当?どこが好きなの?」





私の事好き?どこが好き?なんて聞くのは女だけかと思ってたから、譲さんに聞かれて暫し呆然としてしまった。





あまりにも真剣な表情で言うから、まだ現実味がないのかなと少し口が緩む。





「そうですねー……譲さんってよく人を見てると思うんですよね。エスコートも気遣いも完璧だし、素敵ですよ。」





水族館へ行った時に、譲さんに対する全ての印象が変わったんだよね。





「譲さんは、私のどこが好きなんですか?」


「え……あー、全部なんだ。」





この場合、ときめいたり照れたりするんだけど、私自身変わってるのか少し引いてしまった。




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