図書室で会いましょう
俺は放課後、
実久のクラスが終わるのを待っていた。
実久が帰ろうとした瞬間
俺と目があった。
目があったと同時に
逃げるようにして実久は帰ろうとする。
「待てよ…!」
俺は実久の腕を掴んだ。
「りゅ…龍之介……」
無意識に下の名前で俺を呼ぶ実久が愛しい。
あんなに人前で言うの嫌がってたのに。
「好きだ」
俺はクラスメートがいる中
実久に再び告白した。
「……」
実久は黙ったまま俺を見つめる。
「返事は、俺たちが出逢った場所で」
それだけ言って
俺は実久の腕を離した。
そして俺は笑った。
今まで以上に。
悲しい顔なんて
君には見せられないよ。