コール ミー アゲイン~そらへこの想いが届くように~
秘め雪
―日の出―
日の出が辺りを淡く浮かび上がらせ、夜空を映していた空が、開け放しのカーテンの向こうで入れ替わっていた。
私は眩しくてよっちゃんの胸に顔を埋めた。
距離から言ってあと少しでとんがった岩の見えるところまで行ける。
私は携帯の充電器をくるくる巻いて、よっちゃんの方を見た。
とたん、空は一転、かき曇り、激しい雷雨と屋根を叩く騒々しい音がした。
こういうところって、携帯は不自由だけど、黒い電話は便利に繋がる。
私は二人の親友にメールの代わりに連絡を入れる。
あちらの状況も気になるしね。
『グッモーニン! そちらはさぞかし良い天気でしょう? つい携帯でチェックしちゃった』
「そんな良くもないよ~。雷、鳴ってる」
『ねえ聞いて』
キナコの声は低かった。
『もう、うちの母親が、昨日マリーんちのママにお礼言われたけど、なんなのって』
「えー! マジやばい。ママってなに考えてんの~」
『急いで携帯かけるフリして自分の部屋に飛び込んでドアに鍵かけた。あせったー』
「そんなの、私だってあせるよ。こわ!」
私は急に胸がどきどきして受話器を両手で耳に強く当てながら、よっちゃんを見た。
親に内緒とは、彼にも言ってない。
『ま、今日はもっちーのとこいって、一人二役やってくるわ。なんたってこの世の全てのイケメンと繋がってるんだから、マリーは』
「言い過ぎ、いいすぎ。で、コムラとはどーなってんの……」
言ってるうち外は雪に変わってた。
「あ、ごめーん。こっち雪! ちょっと外見てくる。またね」
と電話を切って、表で空を見上げてるよっちゃんのとなりでうっとり。
「山の雪、初めてだよ」
日の出が辺りを淡く浮かび上がらせ、夜空を映していた空が、開け放しのカーテンの向こうで入れ替わっていた。
私は眩しくてよっちゃんの胸に顔を埋めた。
距離から言ってあと少しでとんがった岩の見えるところまで行ける。
私は携帯の充電器をくるくる巻いて、よっちゃんの方を見た。
とたん、空は一転、かき曇り、激しい雷雨と屋根を叩く騒々しい音がした。
こういうところって、携帯は不自由だけど、黒い電話は便利に繋がる。
私は二人の親友にメールの代わりに連絡を入れる。
あちらの状況も気になるしね。
『グッモーニン! そちらはさぞかし良い天気でしょう? つい携帯でチェックしちゃった』
「そんな良くもないよ~。雷、鳴ってる」
『ねえ聞いて』
キナコの声は低かった。
『もう、うちの母親が、昨日マリーんちのママにお礼言われたけど、なんなのって』
「えー! マジやばい。ママってなに考えてんの~」
『急いで携帯かけるフリして自分の部屋に飛び込んでドアに鍵かけた。あせったー』
「そんなの、私だってあせるよ。こわ!」
私は急に胸がどきどきして受話器を両手で耳に強く当てながら、よっちゃんを見た。
親に内緒とは、彼にも言ってない。
『ま、今日はもっちーのとこいって、一人二役やってくるわ。なんたってこの世の全てのイケメンと繋がってるんだから、マリーは』
「言い過ぎ、いいすぎ。で、コムラとはどーなってんの……」
言ってるうち外は雪に変わってた。
「あ、ごめーん。こっち雪! ちょっと外見てくる。またね」
と電話を切って、表で空を見上げてるよっちゃんのとなりでうっとり。
「山の雪、初めてだよ」