コール ミー アゲイン~そらへこの想いが届くように~
―真李耶の決心―


 さすが。


 もっちーの言葉は私を勇気づけてくれた。


 こういうときは現実的な対処が大切って知った。


「ありがと。そうしとく。とりあえずタクシーで行く。ママには言っといて」


 うわべだけはひとまず冷静になって、階段を注意深く降りた。


 二人から、確かな友情をもらって、それに感謝した。


「ママ、行ってくる」


 携帯で近くのタクシーを呼んで、もっちーがケータイで読み取っておいていてくれた住所を告げる。


 ああ、神様。


 彼じゃないって言って!


 間違っても彼が死んだりしないって!


 お願い。


 お願い……します。


 だから、お願いだから!


 だれか!


「あの! こちらに入江という人は……!」


「失礼ですが、お身内の方ですか」


「彼の、恋人です!」


「は?」


 まず驚かれた。


 そりゃあそうだよね。


 こんな自己紹介、真実を知っていれば、しなくてすんだのであって、それも誤解とわかった。








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