コール ミー アゲイン~そらへこの想いが届くように~
―一生分の恋―


「あたしなんか……明日から予備校三昧よ。泣きたい……」


 と、うちのママと同じ事を言われて動けないらしいキナコ。
  

 マックシェイクをちょっとすすって不満顔。


 クールに眼鏡を外して、裸眼でもっちーは私を見る。


 びっじーん!


 あ、こっちが眩暈おこしそっ。


「相変わらずの目力で」


 もっちーは探るように見て、眼鏡の蔓を噛む。


 それが実に艶っぽい。


「見返りは……期待して良いんでしょうね」


「もっちろん、二人が彼氏と、ってときには迷わず私の名前を貸したげる。にゃは!」


「確かに。あんたの評判は大人受けがすごく良いわ。だけどそれだけじゃあねえ……」


 ぴーんと来た。


「良い物件あるわよ。いまならプリクラつきでご提供」


「本当?」


「わかった。私たち親友よね」


 二人の目がきらきらとしてきた。


「ミーナが二件、回してくれたから間違いないよ」


 ハミングしながら喜んでる彼女らに、参考までに聞いてみた。


「ねえ、一生この人って恋、したことある?」


 二人は顔を見合わせて、


「そんなの毎回思ってるよ!」


 と、口を合わせていった。


「そ、……だよね。変なこと聞いてごめん」


「全くだよ」


 黒目がちな二重がうらやましい、キナコが言い、


「じゃ、もう行くね」


 と私は席を立った。


 そのとき不意にもっちーと目が合い、私はびし! とポーズをとった。


「そんでは、一生分の恋、決めてくるよ!」












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