雷の薔薇 エクレールローズⅠ
黒い翼がカトリーヌを覆う。






「止めろ!」






サーベルを抜き放つ…。血が吹き出した。床に倒れる。





「カトリーヌ!」






抱き抱え、黒い翼を見上げた。






サーベルが金のロッドを破壊する。






ゴロと転がる…。






「さよなら。教皇様。」





白い天使を見ている。真っ直ぐなブルーの瞳…。曇り無き輝き。






あぁ…。似ている。まったくどいつもこいつも…。





一瞬の躊躇い…。






覚醒した瀕死のシスターが隠した聖水を放ち、わずかながら目を眩ませた。





「「神の裁きを受けよ!!」」






仕止めそこなったエクソシスト達が出てくる。






「まだいたか…。雑魚に用はないわ!」






雷が横に飛んだ。






白い天使は抱えて走る。神の御前に…。






バサリと羽音がし、目の前に降り立つ。






聖なる冠をサーベルにさらわれた。






「終わりにしましょう。」





天使は膝まずいた。
「終わりにしよう…。」





床から白い強力な光が黒い翼を捕らえた。
白い光が身を貫く。






「押さえ込め!」






ぞろぞろとエクソシストが出てくる。
何人もの強力な詠唱が耳障りに聞こえた。




更に銀の鎖が降りそそぐ…。





結界の外に…。蒼い十字架…。





「お前か…。神父。」






力尽きる瞬間…。サーベルと雷が落ちた。





倒れている数人のエクソシスト…。そして…黒く変色した聖なる冠。





ブルーの瞳と目があった…。曇り無き輝き。






そのまま、黒い翼が目を閉じた…。






耳元には笑い声。何かがやって来る。死の雨がやって来る。笑い声が頭に響いていた。






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