雷の薔薇
エクレールローズⅠ
「あの魔女を教会の象徴にするおつもりですか?!」
蒼い十字架が激しく揺れた。
「教会の強固な権威となる。悪魔に打ち勝った象徴として…。」
赤いローブを被るアゴヒゲの長い教皇に意見する大司教。
「フランチェスコに任せてある…。」
ぎりりと歯噛みする。やつは何をするかわからない。
「君にも命が降るはず、神父アレクセイ…。」
膝まづき十字架を前に握りしめ「御意…。」
きびすを返した。
あの魔女を…。生きる屍に…。狂っている。教皇のご意志ではない。
******
声がした。またどこから?
探せない。呼んでる…。
******
「あ…。あぁぁ…。あぁぁ。」
塔に響く。叫び声…。
次第に弱くなる。
金の瞳は不敵に聖水を浴びせる神父を睨んだ。
「よかろう…。」
銀の鞭が飛んできた黒い羽根は散る。
どうしてか俺は…。無性に前に飛び出したかった。なのに足が動かない。ただその光景に苛立ちを覚えた。
「誰も…。また救えないのか…。」
ポツリと言葉が出てきた。俺は…。何をしているのだろう。
十字架を握りしめ問いかける。
あれは…。悪魔…。魔女だ…。
なのにこの感情はどこからくるのか…。
呻く声がこだまする。
笑っているのか…。泣いているのか…。それとも…。
俺は…。何をしているんだ?
十字架に問いかける。
神は時に残酷だっ…。
迷う神父に聖水が渡された。
フランチェスコは容赦なく浴びせる。
しゅうしゅう焼け煙が上がる。
魔女は…。回復が早い…。聖水は効果的に体力を奪う。
フランチェスコに投げかえす。
蒼い十字架が激しく揺れた。
「教会の強固な権威となる。悪魔に打ち勝った象徴として…。」
赤いローブを被るアゴヒゲの長い教皇に意見する大司教。
「フランチェスコに任せてある…。」
ぎりりと歯噛みする。やつは何をするかわからない。
「君にも命が降るはず、神父アレクセイ…。」
膝まづき十字架を前に握りしめ「御意…。」
きびすを返した。
あの魔女を…。生きる屍に…。狂っている。教皇のご意志ではない。
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声がした。またどこから?
探せない。呼んでる…。
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「あ…。あぁぁ…。あぁぁ。」
塔に響く。叫び声…。
次第に弱くなる。
金の瞳は不敵に聖水を浴びせる神父を睨んだ。
「よかろう…。」
銀の鞭が飛んできた黒い羽根は散る。
どうしてか俺は…。無性に前に飛び出したかった。なのに足が動かない。ただその光景に苛立ちを覚えた。
「誰も…。また救えないのか…。」
ポツリと言葉が出てきた。俺は…。何をしているのだろう。
十字架を握りしめ問いかける。
あれは…。悪魔…。魔女だ…。
なのにこの感情はどこからくるのか…。
呻く声がこだまする。
笑っているのか…。泣いているのか…。それとも…。
俺は…。何をしているんだ?
十字架に問いかける。
神は時に残酷だっ…。
迷う神父に聖水が渡された。
フランチェスコは容赦なく浴びせる。
しゅうしゅう焼け煙が上がる。
魔女は…。回復が早い…。聖水は効果的に体力を奪う。
フランチェスコに投げかえす。