雷の薔薇
エクレールローズⅠ
私は…。何をしてるの?何を探してるの?
大きな十字架…。大きな翼の…。黒い天使。
ゆっくり近づいた。
首に小さな痛みに快楽…。意識は闇の中。
最後に見たのは…。金色の月に…。赤い唇。
そして声。
「シーラ…。」
意識は闇の世界に溶けた…。
******
牙がぷつっとささり私の渇いた唇を潤した。シーラ…。私のかわいい聖女。
体力が少しずつ回復していく。それでも間に合わないくらいのダメージを受けていた。
このまま魂を奪うか…。
それは…。できなかった。
いつからだったか…。私は…。何かを待っている。何かを求めて闇を進む。
堕ちいく闇は私を救ってくれた。
私にはしなければならない事がある。
「彼の為に…。私の為に…。」
湧き出るものはもはや止められない。
怒りは雷。
舞い散る花弁は私自身の血。
聖女を抱いて黒い翼の天使は瞳に闇を灯す。
「終わりにしましょう。」
赤い唇が首から離れていく…。
塔に響く鐘の音。
朝日が射し込んできた。
刑の執行を告げる鐘。
十字架の天使は悪魔に成り果て、大聖堂の床に転がる…。
結界はさらに強固なものに。
金の瞳は固く閉じられたまま。
黒い翼は縛されん。
白い衣の衣擦れの音。
純白の天使が大聖堂に入る。横にたたずむは蒼い十字架の守り人。
堅い顔は何を見る?
神は時に残酷に…。時を告げる。
大きな十字架…。大きな翼の…。黒い天使。
ゆっくり近づいた。
首に小さな痛みに快楽…。意識は闇の中。
最後に見たのは…。金色の月に…。赤い唇。
そして声。
「シーラ…。」
意識は闇の世界に溶けた…。
******
牙がぷつっとささり私の渇いた唇を潤した。シーラ…。私のかわいい聖女。
体力が少しずつ回復していく。それでも間に合わないくらいのダメージを受けていた。
このまま魂を奪うか…。
それは…。できなかった。
いつからだったか…。私は…。何かを待っている。何かを求めて闇を進む。
堕ちいく闇は私を救ってくれた。
私にはしなければならない事がある。
「彼の為に…。私の為に…。」
湧き出るものはもはや止められない。
怒りは雷。
舞い散る花弁は私自身の血。
聖女を抱いて黒い翼の天使は瞳に闇を灯す。
「終わりにしましょう。」
赤い唇が首から離れていく…。
塔に響く鐘の音。
朝日が射し込んできた。
刑の執行を告げる鐘。
十字架の天使は悪魔に成り果て、大聖堂の床に転がる…。
結界はさらに強固なものに。
金の瞳は固く閉じられたまま。
黒い翼は縛されん。
白い衣の衣擦れの音。
純白の天使が大聖堂に入る。横にたたずむは蒼い十字架の守り人。
堅い顔は何を見る?
神は時に残酷に…。時を告げる。