Endless Word

明奨の蝶

「なぁ、理来ぅ。そろそろ、教えろよ」

いつものように学校に行く途中おんなじことを繰り返し聞くコイツ、篠山隼人。

「ムリ！」

そしてまた、いつものように返答する私、東野理来。

「いいじゃんかよー理来がこんっくらいのときからずっと一緒にいたんだぜ？」

「私がこんなに小さかったわけないでしょ！」

自分の足首のところに手をやって、頭をなでるように手を動かしている隼人に向って私は怒鳴った。

隼人がさっきから教えろと言ってるのは、私の好きな人。教えられるわけないじゃん！だって私が好きなのは。

「理来ちゃーん？顔赤いですよ～？もしかして、好きな人の事思い出して妄想しちゃってたりとか？まぁ～、なんて子なのかしら！」

「もぅ、隼人なんて大っ嫌い！」

ウソ。そんな事あるわけないじゃん。
私はずっと隼人が大好きなんだから。。

「おす！隼人、理来。いやぁ、今日も一段とラブラブですなぁ」

「ちょ、何言ってんの！」

恥ずかしい。けどちょっと嬉しい。

「だろ？さすが俺のダチ！亮今度なんかおごってやる！」

「ゴチになります！」

私たちが通ってる学校、明奨北中はどこにでもある中学校。
私たち3人は同じクラス。
この2人は学校のアイドル的存在。
篠山隼人、椎名亮といったら知らない人はいないくらい。

「理来！おはよ。秋歩様の登場だ！」

この子は私の親友の高峰秋歩。クラスも私たちと同じ。

私たち4人はいつも一緒。
この学校ではみんな私たちを「明奨の蝶」と呼んでいる。
私たちは、学校の生徒会メンバー。
会長は隼人、副会長は私、書記が秋歩、経理が亮。

「亮！今度遊びに行かない？かわいい服見つけたんだけど、亮に見てもらいたくて」

「OKいいよ！日にちと時間は秋歩決めて？いつでも大丈夫だから！」

「ホント？やった！」

「いやぁ今日も一段とラブラブですね。」

「行こっか。亮、他に行きたいと事かある？」

「ん～とねぇ・・・」

いいな2人とも付き合ってて。私だって、いつかは隼人と・・・。

「理来。俺たちもどっかいかね？」

「え？いいの？」

「この俺様が言ってんだぞ！じゃ明日！土曜の9時に明奨公園に来て！」

「うん！」