昼下がりの当番表
他の生徒にとって図書室の需要はあまりないらしく、訪れるのは一部の生徒。
きっと、去年ひばりが入学して熱心な図書委員になる前は司書教諭の不在による閉室が日常的だったこともその原因なのだろうが。
去年1年間何度も来訪者の少なさを嘆き、これではいけないとほぼ毎日の平日を図書室開室に費やしてきたのだが、効果はいま一つだった。
「…まぁ、現代っ子なんて、本よりは携帯、ゲームの方が好きな子が多いもんね。もったいない。」
年不相応な悟りを呟いて軽くため息をつく。
気を取り直してつみあげた本の一冊を手に取った。
窓からさんさんと降り注ぐ日光を浴びたカウンターは、心地よい温度でひばりを包み込む。
読み始めて、数十分後。
相変わらず人気がない図書室内、カウンター。
ひばりはとある戦いに挑んでいた。
戦いと言っても、来客と見せかけた本泥棒と乱闘騒ぎをしていたわけではない。
(第一、せっかく訪れてくれた人に乱闘を吹っかけたりなんて絶対しない!と常日頃彼女は豪語しているのでありえない。)
ふわぁ、と噛み殺し続けていた欠伸がついに唇から洩れた。
「ね、む。」
小さく呟いて目を瞬かせる。
相変わらず来客の気配はない。陽の光に加えてカウンターの素材である木までがぬくもっていて眠りを誘う。
まぁ、少しくらいなら。どうせ、だれも来ないし。
昨晩は遅くまで本を読みふけっていたため寝不足だ。
寝不足は女の子の大敵なんだから。
妙な理屈を自分に言い聞かせて、本を横に置いた。
そのまま静かに突っ伏すと、ゆるやかな睡魔が忍び寄る。
きっと春になると授業中に居眠りする人が増えるのは、机が木の素材だからだろうなぁ。
変に納得をしながら、思考が薄れるのに身を任せる。
ほんの少し、時間が経過したころには、すでにひばりは夢の世界にいた。
がらり、
待ち望んでいたはずの重い扉が開く静かな音に気付かずに。
「サボり、ね。上等だね。委員長?」
きっと、去年ひばりが入学して熱心な図書委員になる前は司書教諭の不在による閉室が日常的だったこともその原因なのだろうが。
去年1年間何度も来訪者の少なさを嘆き、これではいけないとほぼ毎日の平日を図書室開室に費やしてきたのだが、効果はいま一つだった。
「…まぁ、現代っ子なんて、本よりは携帯、ゲームの方が好きな子が多いもんね。もったいない。」
年不相応な悟りを呟いて軽くため息をつく。
気を取り直してつみあげた本の一冊を手に取った。
窓からさんさんと降り注ぐ日光を浴びたカウンターは、心地よい温度でひばりを包み込む。
読み始めて、数十分後。
相変わらず人気がない図書室内、カウンター。
ひばりはとある戦いに挑んでいた。
戦いと言っても、来客と見せかけた本泥棒と乱闘騒ぎをしていたわけではない。
(第一、せっかく訪れてくれた人に乱闘を吹っかけたりなんて絶対しない!と常日頃彼女は豪語しているのでありえない。)
ふわぁ、と噛み殺し続けていた欠伸がついに唇から洩れた。
「ね、む。」
小さく呟いて目を瞬かせる。
相変わらず来客の気配はない。陽の光に加えてカウンターの素材である木までがぬくもっていて眠りを誘う。
まぁ、少しくらいなら。どうせ、だれも来ないし。
昨晩は遅くまで本を読みふけっていたため寝不足だ。
寝不足は女の子の大敵なんだから。
妙な理屈を自分に言い聞かせて、本を横に置いた。
そのまま静かに突っ伏すと、ゆるやかな睡魔が忍び寄る。
きっと春になると授業中に居眠りする人が増えるのは、机が木の素材だからだろうなぁ。
変に納得をしながら、思考が薄れるのに身を任せる。
ほんの少し、時間が経過したころには、すでにひばりは夢の世界にいた。
がらり、
待ち望んでいたはずの重い扉が開く静かな音に気付かずに。
「サボり、ね。上等だね。委員長?」