スキスギテ



足をぶらぶらさせて アタシは考えた

アタシが死んで悲しむひとの事

お母さん お父さん 婆ちゃん 妹 友達
それくらいじゃん

彪流や大輝は悲しんでくれないよ

むしろ よろこぶんじゃないかな

よろこぶんなら死んだほうがいい

彪流が楽しく毎日送れるし
アタシはほんと邪魔なんだよね


『…まじやめて なんなの?』


彪流の声がしても
アタシ泣くしかできなくて
彪流は超不機嫌だ


『お前さ ここでそんなことするなよ』


なにそれ
ここじゃないとこでやれって?

やだ
彪流にアタシの死体みてほしいよ

泣いてほしい

アタシがいないとなにもできなくなって
アタシのこと忘れないでほしい

大輝にもそうだよ
毎年の誕生日にでもいい
7月25日にアタシのぶんも
祝ってほしい
ミルクティー入れてさ
アタシのこと忘れないでほしい


『やめて』


彪流はさっきから やめてしか言わない

なにをやめて?
ここじゃないとこでやれって?


『家 入ろうぜ』


なんでだろう
彼女だっているくせに
アタシなんて殺せば楽じゃん

彪流にとって
アタシは邪魔なんじゃん…



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