⁂ダイヤモンド⁂


「未来さん、おはようございます!!」

「おはよう」


その瞬間、更衣室の中の笑い声が消えた。


そう、あたしは店の女の子に深入りはしない。


その代わり、それを女の子達も良く分かっていて、必要以上に話しかけてくることもない。

この、女だらけの世界で、汚いものも全て見てきていた。


“うっぜーな、あのオヤジ!早くくたばれよ”

“マジ、あの男キモイんだけど”

“アイツさ、枕らしいよ?最近、売り上げ上がったじゃん?”

“最近あの女顔変わってない?整形したべ”



マシンガンのように、毒づく女たち。


そんななか、NO1をずっとキープし続けてるあたしは、陰で一体どんな言われようなのか……。


それに、店長に失礼な暴言や態度をとるあたしに完全にひいている。


でもそんなのどうでもいい。

それでも、あたしには関係ない。



何を言われようと、ここにいるあたしは、ただの拾われた人間。


笑顔で挨拶する女達の腹黒さなんて、どうでもいい。



白いドレスに着替え、誰よりも先に更衣室から飛び出した。

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