⁂ダイヤモンド⁂
「違うんだよ……」
「もう、どうしたんですか?何してるんですか?店長待ってますよ!!」
「世界が…さ………」
小さく漏らしたあたしの声はすぐに美波の急いでいた足を止めた。
「未来さんにも似合ってますよ」悲しい顔をしたかと思えば、おもいっきり笑顔を見せた美波に胸が痛くなって、その痛みが一体なんなのかわからずに、胸にそっと手を当てた。
「早くっ!!!」
強引にあたしの腕をひっぱると、美波は何もいわずにただ前だけを向いて足早に歩き始め、あたしの足も次第に速さを増した。
暗闇の世界の夜の光を浴びて
前だけを向いて、ずっと歩き続けていた。
自然の光を浴びることを恐れて、人工の光を浴びれるだけで十分だと。
そう思いながら……。
夜の光は、綺麗に照らしてくれる
それが偽物だとしても
汚くても
綺麗に照らし続けてくれる
たとえ
偽物だとしても誰も気づくものはいない
だけど
あたしは少しだけ
自然の光を浴び続けていたいとそう思ってしまった。
空がこんなにも青いことを知ってしまったからーーーー。