⁂ダイヤモンド⁂
「いらっしゃいませ!!」
「いらっしゃいませ!!!」
あたしと美波を迎えてくれたのは沢山の黒服たち
「美波ちゃん、今日はお友達と??」
「うん♪」
「初めてじゃん」
「うるさいよ、友達いないみたいじゃん」
「あははっ!!ごめんね」
楽しく会話している美波を見て、あたしは、いつからあんたの友達だよ?なんて腹立ちながらも、美波の姿を見ていると黒服たちの扱われ方に本当に頻繁に来ているのだろうと思った。
席に案内されると黒服に「光くんね」と笑顔で呟く美波……
きっと“光くん”が彼女の指名だろう……
「光なんて、本当にありきたりなホストの名前だね」
こんな所に連れて来られて、気分が悪いあたしは少しだけふてくされて態度をしていると、美波はビックリした顔をしながらあたしを越えてその先の方に視線を向けている。
「どしたの?」
「えっ、あ、ああ……」
「んっ?」
美波の視線の先を見つめると、あたしのすぐ後ろに男の人が黒服の横に人立っていた。
「あ、ごめんね光くん……」
美波が慌てて、なぜだか横にいる黒服までも顔を歪ませ苦笑いをしている。
ああ、あたしは本人がいるの気付かずに暴言吐いたのね。
そう思いながらも美波が謝っている姿にまた腹が立った。
「はじめまして」
“光くん”が深くお辞儀しながらあたしに笑顔で笑うと、その姿があまりにも低姿勢しぎて、さっきの暴言を少しだけ後悔した。