⁂ダイヤモンド⁂
「うわっ!!やばい!!!」
目を覚まし、辺りが暗くなっているのを確認すると慌てて携帯を開き時間を確認した。
「6時半~!!!」
慌てて、起き上がりまだソファーで爆睡している美波の体をゆすると、びくともしない彼女は気持ち良さそうに寝息をたてている。
「ちょっと、遅刻だって!!起きろっ!!!」
一瞬だけ「う~ん」なんて唸りながらも体制を変え、今度はいびきまでかき始めた。
「ごめん、裏切るっ」このまま美波を起こし続けていたら、あたしまでもが遅刻だ。
罰金がどーこーじゃない。
この5年間一度だって遅刻なんてものしたことがないあたしが……
再び時計を確認すると、慌てて洗面所にいき顔を洗いハミガキをしながら、片方の手で髪の毛にスタイリング剤をスプレーしドライヤーで乾かし始めた。
なんて器用なのだろうか……なんて自分でも驚くくらいだ。
店まで30分、8時には出勤……
「間に合うわけがないつーの!!」
目の前の鏡に映っている自分の姿に愚痴をこぼしながらも、横目でソファーに目を移すとまだノーテンキに寝ている奴がいる。
「罰金決定だな」
寝ている美波にそう投げかけ、あたしは慣れた手つきで着々と支度をし始めた。
「あーっ!!絶対に間に合わない!!!」
化粧が終わり、髪をいつも同様巻こうとコテを温めておいたものの、そんな時間などない。
店に着いたってセットしてもらえる時間もないだろう……
だからと言って、胸の下まである長い毛を何もせずに垂らしておくのは自分的に嫌いだ。
「もういいや!!」
髪の毛を一本にまとめると、上の位置でゴムでとめながら逆毛をたてた。
バッグの中に雑に化粧ポーチやらを詰めこむと、携帯を片手に持ち「お先に」と寝ている美波に声をかけ玄関を飛び出した。