オレンジ色の朝に
軽く心配しつつ、今日の夕飯が一通りできあがった。
朔もいつのまにかソファから離れ、どこかに行ったみたいだ。
いつも使っているクリーム色のエプロンをはずし、ソファに座ってテレビの電源をつけようとリモコンに手を伸ばしたとき
洗面所からドライヤーを手に朔がリビングにやってきた。
「ゆいー。髪の毛やってー」
「あ、うん」
ソファにあたしが座り、その下の床に朔が座る。
朔の髪をあたしが乾かす。
いつもの光景なんだ。
なんでか昔からあたしの役目なんだよね。
朔の髪を乾かすの。
地元に居たときも、
朔はほとんどウチの家でお風呂を入っていって、あたしが髪の毛を乾かしていた。
もう生活の一部みたいなもん。
朔いわく、あたしの乾かし方はセットしやすいらしい。
あたしは適当にやってるんだけどね。
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