恋ノ神

次の日、様子を見に行ってみると、思ったとおり2人は図書館に居た。

昨日よりも会話の数が増えていて、表情が和らいで見える。
もうこのまま手を加えなくてもいいな。
そのほうが私にとっても楽で済む。

「お前ってさ、何でそんなに本が好きなんだよ。」
「自分じゃ絶対に作れない人生が、本でなら見れるんだ。」

この子は確実にAB型だな。
私はそんな事を思いながら二人を見守る。
もうこれ以上私にやる事は無いのだが、依頼者の恋が叶うまでは他に移れない。

まあ、見守っていたって何も起こらないのだが・・・。


・・・・・・・・・・・・・・

2人が分かれた後、私は瀧太郎に付いていく事にした。
彼にアクシデントが起きないように、一応だ。

「アイツ・・・誰が好きなんだろうな・・・」

いずれは君が好きになるさ。

私は瀧太郎の横で誇り高く笑う。
勿論、瀧太郎には見えない。

いや、もうこれなら見えなくても十分だろう。

まさかあんな事になるとは・・・・
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