恋ノ神


「あの子が好き。」
「あの人と両想いになりたい。」

そう思う男女が、今の世界には沢山いる。
そんな想いを叶えるのが、私の役目である。
恋というのは、異性に好意を抱く事で、うまくすれば結ばれる事ができる。
強いて言えば、男や女を一時的にときめかせる感情の事なのだ。

・・・しかし、抱いても叶わぬ恋のほうが、叶う恋よりも圧倒的に多いのだ。
挙句の果てに、今時の若者というものは、すぐ付き合って別れたり、相手に暴力を振るったり、束縛したり、浮気したり・・・。

贅沢な恋をする者がいるのだ。

そうしてすぐに別れる。
今、私の『下』にもいる。

「もうアンタには付いていけない!別れるよ!」
「はぁ!?何で・・・・」

人間と言うのは争って成り立っているのか?
私は時折そう思う。


昔は強く誠実な者が好かれていたのに、江戸時代からだろうか、人間は強い者より容姿の綺麗な者を好むようになった。

人間はどんどん欲深くなっているな。

時々仕事を投げ出してやろうと思うが、そうすると上司の「ゼウス」怒られるので、仕方なく仕事している。

「恋をさせた分だけしか、給料もらえないんだよな・・・。」
< 2 / 123 >

この作品をシェア

pagetop