恋ノ神

―阿修羅(アシュラ)

戦を司る神で、『神の護り』を作ることが出来る神の一人である。
戦国時代や戦争時代によく活躍したそうだが、戦争が終わってからではボクシングなどの祈願の客しか来ていないんだとか。

私は阿修羅と同世代で仲も良く、互いの家を行き来するくらいの仲だった。
しかし、今回彼は私を怒らせた。

「で!お前の担当した中年男が、私の客に手ぇ出しやがったの!」
「殴られても大して問題ねぇだろ。」
「ちゃうわ!そいつが喧嘩に勝ったせいで、不幸にも私の客の想い人に見られちまったんだよ!」
「ドンマイだなそいつ。」
「うん全くだ。って、貴様~!他人事みたいに言うな!」
「他人事だろうが。」

そりゃそうだ。と言いたくなるが堪えた。

「でもよ、それってある意味良好化になるもんじゃねぇの?」
「はぃ?」
「お前この前に来た時言ってなかったっけ?こういう出来事は、ある意味信頼度を深める事にもなるってよ。」

そういえばそんなこと言ってたっけ。
3ヶ月前に似たような出来事が起きて、その仕事を無事終わらせた後に阿修羅の所に遊びに行った時に言っていたような気がする。

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