恋ノ神
「いい考えじゃないか。」
そう呟くと、私は歯を見せて笑う。
「なぁ、阿修羅の担当した男の『神の護り』は効き目に時間があるよな?それっていつまで?」
「んー・・・最低でもあと2日だな。」
「そうか・・・。」
あらかじめその返答は想定内だ。
次の手段に移る。
「・・・阿修羅。」
「ん?」
「・・・瀧太郎に『神の護り』・・・かけてやってくれないか?」
案の定、阿修羅は口をパックリ開いた。
「バカ言ってんじゃねぇ、願い事もしてねぇのにかけられっかよ!」
「じゃあ私が願ってやる、だから頼む!これが成功すれば私もお前も利益があるし一石二鳥じゃないか!」
頭を下げながら言うと、さすがの阿修羅も参ったようで、息を吐いた。
「チッ、お前に頭下げられるとやりづれぇよ。しかたねぇな。」
「ありがとう、恩に着る!」
しぶしぶと言う阿修羅に礼を言い、作ってもらった『神の護り』の札を手に日本に帰った。