恋ノ神
こんなやり方で上手くいくのだろうかと不安だったが、「五十嵐 蒼」と名を出してやると、彼はすぐにドコにいるのか聞いて来た。
「この道を通った所にいるよ。薄暗い〇店の近く。」
男が現れるだろうところに行くように言うと、瀧太郎はダッシュでその場に向かって行った。
・・・瀧太郎side・・・
名前も明かさずに蒼の事を話した後輩の言われたとうりに、俺はそこに走って行った。
昨日は・・・カッコ悪いとこ見せちまったけど・・・あいつは俺のこと嫌いになってねぇよな?
そんな事を考えながら、俺はあの後輩に言われた所に着いた。
閑散としていて、誰もいない。
・・・嘘かよ。
昨日から災難続きだなおい。
そんな事に騙された自分に笑えて来た。
しばらくしてその場から背を向けたと同時だっただろうか。
「放せぇッ!!」
低くも威勢の良い声。
どこか懐かしい響きを持つ声の主は・・・蒼。
しかも誰かに手をつかまれている。
アイツ・・・あのときのスプレー野郎だ。
何してんだろうな、と思う自分と、蒼を助けようという自分に分かれた。
そしていつの間にか、蒼の所に走り出していた。