恋ノ神
教師と生徒。
2002年、9月28日。
ギョッとさせられた。
―月島 美咲。
今で言うギャル系、とてつもなく明るい茶髪に同じ色のカラーコンタクト。
16歳と言うのに万全のメイクがほどこされている。
いや、私がギョッとしたのは彼女の容姿ではない。
そのお願い事の内容だ。
『学(がく)先生と、両想いになりたい。』
先生だとっっ!!?
今でも大声で言えるくらい驚いた。
世界のどこかでは一つくらいありえそうな恋愛相談だが、私の中では始めてのお願い事である。
教師と生徒はあう機会は多いのだが、恋愛に関してのつながりを作ることは難しい。
ましてや、あのような不良系の少女・・・。
どのように近づけれはよいのか分からない。
すると、鳥居の方からもう一人の少女が小走りしてくる。
「美咲ー、お願い終わったー?」
「終わったよー!」
「てゆーかー、こんな地味なお寺でホントにお願い叶うのー?」
「藁にもすがるほど好きなんだもーんっ」
「キャハハッ!」
彼女の願い事はなかったことにしてやる、ついそう考えてしまうが、仕方ないと仕事に取り掛かった。