恋ノ神

あの文系教師とはかけ離れた生活習慣だ。
接点が無い。
叶えるこっちの身にもなってくれ。
私は大きな溜め息をつく。

「てゆーかー、このマニキュア可愛すぎじゃね?」
「今朝のあの地味なお寺にでも塗ってあげよっか~?」
「もったいない~!」

貴様は私の逆鱗に触れた!!!

私はゆっくりと近くにあった1メートルものさしを見えないように持ち上げる。
それで美咲を叩いてやろうと考える。
神様を怒らせた罰を受けるがいい!!
思いっきり叩いてやるつもりだったが、胸元の星を見て思い出す。
依頼人を傷つけたら星が一個減る。

この星は私達にとっての給料。
50人の願いを叶えるごとに星一つ。
この星が10個貯まると何でも願いが叶う。
ほとんどの神は人間のために使うことがあるが、私は自分の願いである『10年間の休暇』を人間のために捨てたくは無い。

やっと9個貯まったのに50人分減らすのはゴメンだ。
せめて美咲に少しでも不幸が降りかかりますように。
神の私は何故か手を合わせて神に祈った。



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