恋ノ神

人間の名札にはその人間の名前が刻まれ、更に職業や今の状態、年まで刻まれているのだ。
例えば先ほど別れられた男。

彼は・・・秋山 直樹か。
ふられた理由は、彼女の一度の誘いを断った事。
たったそれだけである。


「最近の人間は短気だなぁ・・・」

かわいそうに。

そう思ったら即行動。
最初に先ほどの彼女を探す。
神様はどんな所でも早く移動できる。

他国でも一ッ飛びで遊びに行けるのだ。

彼女の方は、公園の噴水の辺りで泣いていた。

「直樹の馬鹿・・・。せっかく誘ったのに・・・」

ここからが私の出番だ。
早速直樹のいる所に向かい、策を練った。
人間と言うのは実に難しい生き物、それであって、実に弄りやすい生き物なのだ。

人間同士では難しいコミニケーションも、神がそれを少しいじるだけで、関係は方向を変える。



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