恋ノ神
思ったより感がいいじゃないか。
この調子だというように私はうなづく。
「えっと・・・あれは・・・」
「?」
「・・・先・・・生・・・。」
「え?」
「先生が・・・好き。」
その言葉を聞き、学はしばらくポカンとしていた。
「え・・・と・・・悪ふざけじゃ・・・無いんですか?」
「・・・うん。」
嘘でない事を確認すると、学は恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「せ・・・生徒どころか、人にそう言われたの、初めてです。」
「え?そうなの?」
「まあ・・・草食系は好かれないようです。」
「自分で草食系って言ってる・・・。」
そう言うと、学はぷっと吹き出した。
「あなたの正直な所は、私も好きですよ。」
「!それって・・・」
「本当はいけないんですけどね。授業が気まずくなるから言うまいと思ってたんですけど。・・・両想いですね。」
美咲が学に飛びつき、2人の影が重なった時、私は盛大に鈴を鳴らした。
「お幸せに。」