恋ノ神

「・・・君は・・・?」

神様に向かって君はないだろう。

まぁ無理もない。
私は600年と言う時を生きてきたが、実際の見た目は16歳の少女だ。
挙句にパンク系の服に短く濃い色の茶髪。
現代の男らしいハードロック女子高生を思わせる。

「君は、秋山直樹君だね。この前に、縁結びの神社にカップルで来てくれた。」
「え?何でそれを・・・」

ここで姿を現すと返ってまずい。
だから私が口にする台詞はこれ。

「私は神社の神主の孫で、さっき別れたお二人を仲直りさせるべく参上した。ははっ、カッコイイだろ?」

こういっている私を見て、直樹がポカンと口をあけている。

「そ・・・そんな事・・・。っていうか、子供にそんなことが出来るわけ・・・」
長続きさせる前に、私はお決まりの行動に出る。

バチコーンッ!!

思いっきり直樹の後頭部をビンタ。
この瞬間に直樹の頭に念を送った。
先ほどにも説明したとおり、私は思考を操れる。人の心を操る事ができたり、相手の心が読める。ここでは念力を使うまでもないので、引っ込ませておいた。


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