さよならマイヒーロー

「で、こちらが沢田海人くん。俺の大学の後輩でねー、今はなんと高校で美術を教えてまーす」

「どうもよろしく」


無駄に笑顔な先生にあたしは地団太踏んで突っ込みたい気分になる。知ってるっつの! 
ああ、でもそんなお茶目なお兄ちゃんも大好きだ。って、そうではなく。
あたしには聞かなきゃならない事があるんだってば!


「…………で、先生とお兄ちゃんの関係って、なんなの? その……大学の先輩・後輩?」


恐る恐る聞いてみたってのに、お兄ちゃんは隣に座ってた先生と顔を見合わせてそれから小さく噴出した。


「やっだなぁ、ほのかちゃんったら。昨日からずっと俺の恋人って言ってるじゃない?」

「なんだよ南、馴れ初めでも聞いてみたかったのか?」

「……………!!」

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