さよならマイヒーロー

「って、海人くんそれはちょっと恥ずかしいなぁ」

「遥が言うと全く思ってなさそうに聞こえる」

「うーん、まぁそこまで恥ずかしくもないしねー。面白味もないんだけどねー、聞きたい? ほのかちゃん?」


――何それ何それ、何なのそれは!!

なんでこんなにけろっとしてるの2人とも! 「あれは俺が大学2回でねー、海人くんが新入生で俺のサークルに入ってきてー」、「いや遥さんが綺麗だったから気になったんスよね」、「うわー『遥さん』だって、懐かしー」、「そうですよね、敬語プレイとかもたまにはいいんじゃないっすか」、「やだなー海人くん、こんなところで

あはははーなんてお兄ちゃんのしまりのない笑い声が聞こえてきたところで、あたしの限界はぷちっと訪れた。

どがんっと立ち上がったあたしをお兄ちゃんはきょとんっと見上げてる。
いやでもあたしはこんなんじゃもうほだされないからね!

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